2026年9月1日(火)
オンラインにて、千葉市助産師会様にて研修を担当させていただきました。

病院や地域、さまざまな現場で日々いのちと向き合っていらっしゃる助産師の皆さま。終了後にいただいたアンケートをひとつひとつ拝読し、参加された皆さまの深い想いと誠実な姿勢が胸に迫ってきました。
過去のケアを振り返り、胸を痛め続けている助産師たち
アンケートの中で特に印象的だったのは、多くの受講者の方が「過去の自分」と重ね合わせて講義を受け止めてくださっていたことです。
「入職1年目のとき、なんと声をかけたらよいかわからず、お部屋になかなか足を運ぶことができませんでした。『私なんかが…』という気持ちが強かったことを思い出しました」 「20数年前、自分も悲しくなって迷いながらの対応でした。今振り返っても、あれで良かったのかと悩み続けています」
臨床の現場で赤ちゃんを亡くされたご家族と向き合うとき、医療者自身も激しい戸惑いや無力感を抱えています。何年、何十年が経っても、「もっと何かできたのではないか」と自問自答を続けている助産師の方々がどれほど多いことか。
当事者のリアルな声をお伝えしたことで、当時の葛藤と向き合い、ご自身のケアを静かに受け止め直す時間になったというお声を多くいただきました。
「ひとつの尊い命」として向き合うこと
病院で受けるケアは、ご家族にとって人生で最初のグリーフケアになります。 そこで交わされた言葉、向けられた眼差しは、何年経過してもご家族の記憶から消えることはありません。
「ママが見ていないところでも、ひとつの小さないのちを大切に想いたいです」 「亡くなられたお子様を『1人の尊い命』として接し、お母様の悲しみに誠実に寄り添いたい」
赤ちゃんを亡くした悲嘆のなかにいるご家族にとって、我が子を「かけがえのない一人の人間」として丁寧に扱ってもらえた記憶は、その後の長いグリーフワーク(悲しみを抱えて生きていく過程)を支える大きな光になります。助産師として最も大切にしたいその原点を、皆さまと共有できたことを心から嬉しく思います。
支える側のメンタルを守るために
今回の研修では、支援者ご自身のセルフケアやチーム体制の大切さにも多くの共感が寄せられました。
悲嘆に触れる助産師自身が感情にのまれてしまわないよう、自分の心の状態に気を配ること。そして何より、一人で重荷を背負い込まずにカンファレンスや勉強会を通じてチームで共有できる環境をつくること。
支える側の心が健やかであってこそ、目の前のご家族に寄り添い続けることができます。
退院後も、切れ目のない支援を
病院を退院したあとも、ご家族の生活とグリーフは続いていきます。 病院から地域へ、そして当事者の集いやサポート体制へと、孤立させない「切れ目のない支援」をどう形づくっていくか。
現場でいのちと向き合う助産師の皆さまの温かな想いに応えられるよう、これからも研修や情報発信を通じて、支援の橋渡しを続けてまいります。
企画・開催にご尽力いただき、温かく迎えてくださった千葉市助産師会の皆さまに、心より感謝申し上げます。